転倒のダメージを抑えてくれるスライダー

スライダーって何?

バイク走行をしていると、いつどこでどんなトラブルに巻き込まれるか分かりません。
起こりやすいバイクトラブルには、ガス欠や転倒、パンクなどがありますが、ダメージを最小限に抑えるためには、何をすれば良いのでしょうか。

バイクには、転倒した時にバイク自身を保護するためのパーツがついています。
種類は2つあり、1つはエンジンガードと呼ばれるもの、もう一つはスライダーです。

エンジンガードは、スチールパイプを湾曲した形をしていて、バイクが転倒した時には車体ではなくエンジンガードが接地するという仕組みでバイクを守ります。
一方スライダーは、車体を滑らせることによってダメージを軽減するという仕組みで作用するのが特徴です。

スライダーが守ってくれるのは、主にエンジン部分、アクスル部分、そしてボトムパーツです。
バイクレースにおいてはスライダーの装着が義務付けられていることが多く、これは、転倒時の事故を防いだり、火花へ引火して発火するのを防ぐ目的で行われています。

スライダーのメリットは?

スライダーには、たくさんのメリットがあります。
1つ目は、車体へのダメージを軽減するという点です。

バイク走行中に転倒すると、接地面との摩擦が大きい場合には、車体が回転してしまうことが少なくありません。
大きなバイクが回転するわけですから、ダメージは大きくなりますし、回転するバイクに巻き込まれてしまうと怪我のリスクも高くなります。
しかし、スライダーが装備されているためスライダーが路面との摩擦を減らしてくれます。

2つ目のメリットは、転倒した時に車体が受けるダメージを軽減することで、転倒後にも自走できる可能性が高くなるという点です。
時速100kmで走行して転倒した場合でも、スライダーがついていることによって自走できるチャンスはかなり高いです。

3つ目のメリットは、倒れる角度を浅くなるので起こしやすいという点です。
エンジンガードと比較すると倒れた際の角度は大きくなりますが、スライダーが装着してあれば車体を起こしやすくリカバリーしやすくなります。

4つ目のメリットは、お財布に優しいという点です。
車体へのダメージを減らすとともに、レッカーのリスクも抑えられるため修理コストなどを半減できます。

立ちゴケのダメージもしっかり回避

バイクでは、立ちゴケしてしまうことがあります。
特に体力に自信がない女子だと、うっかり立ちゴケしたことによって車体がダメージを負ってしまい、多額の修理費用が必要になることが少なくありません。

しかしスライダーが装備されていると、カウルをはじめとする車体は路面にほとんど接地しないため車体へのダメージはほぼありません。
マフラーは路面に設置してしまいますが、スライダーがあればわずかな傷で済むでしょう。
仮にスライダーがないバイクで立ちゴケすると、ハンドルやミラーなどに大きなダメージがあり、ショップへ持ち込まなければいけなくなってしまうかもしれません。